生誕140周年 彫刻家 戸張孤雁展
会期 2023年1月1日~3月末頃会場 第二展示棟
ごあいさつ
戸張孤雁(1882-1927)は彫刻、絵画、版画、挿絵と幅広いジャンルで活躍した芸術家です。 戸張と荻原守衛(1879-1910)が出会ったのはニューヨーク。ともに画学生であった二人はすぐに打ち解け、交遊は帰国後も続きました。荻原急逝後、亡き友の遺稿集の編集・刊行に奔走する戸張の姿に、深い友情がしのばれます。 戸張は留学時代に病を得て以降、生涯にわたって結核と闘い続けました。「只制作をやって見度い制作が出来さへすればどんなにか愉快だらう。只之れ丈を思ふ」という言葉に、彼の心中がうかがい知れます。比較的小さな彫刻が多いのが特徴ですが、荻原の粘土を貰い受け彫刻に取り組んだ戸張は、日本美術院の彫刻家、石井鶴三、中原悌二郎らとともに大正期の彫刻界に新たな展開をもたらしました。 病気に苦しみながらも切実に芸術を求めた戸張孤雁。その彫刻の微妙な動勢や粘土の扱い、絵画における繊細な感情表現をご覧ください。